4年 水の温まり方③

前回 子どもたちは水の温まり方を考え、検証方法(温度計を3点置く)についても話し合いました。

「どこで実験をしましょう!」とすぐ始めてしまうと、実験結果からどのように水が温まるのか考察するのが難しくなってしまいます。

そこで事前にこの図ビーカーが温まるなら「AとCが同時に水温が上がって、最後にBの水温があがるよね。」水がぐるぐる循環してあたたまると考えるなら、「Aが上がってBがあがる。最後にCが高くなる。」というように、先に水の温まり方と水温の上昇の仕方をすり合わせておくことが大切です。これが結果と考察の「見通しをもつ」ということなのでしょう。

では次は実験結果について記述します。

4年 水の温まり方

どのように児童が水の温まり方を予想するか

いくつか例をあげます。

①熱源から放射状にあたたまる(金属と同じ)

②ビーカーが温まって水の中心へと熱が伝わる

③ビーカーの底が温まり熱が上に伝わる

④熱源から上の方に温まっていく

という予想が出てくると思います。

どのように調べていくが話し合わせると、サーモインクという案が出てきますが

いろいろと思考・試行させたいので、手元にないことを伝えます。

すると温度計を使って調べていこうと話が出てきますので、どこにセットするか練っていくと、熱源近くA、ビーカー中央の上部B、ビーカー下部C(熱源から離れた所)とするとそろぞれの距離が等しくなるので、結果を整理しやすくなります。

次回、実験結果と考察のさせ方について

水のあたたまり方②

「どのように水は温まるのだろう?」と児童に問うても、児童が固まってしまう理由。それは条件が曖昧すぎるからです。熱源の場所は?水はどんな容器に入れているのか?といった条件がわからないため児童はフリーズしてしてしまうのです。

そこで私は学習問題を書いたら、「次のようにあたためるよ」と図を描きます。

ビーカー500mlに400mlの水

これ以上に水の量が多いと、温まるのに時間がかかります。少ないと上部と下部に温度差が生まれにくい。

熱源はビーカーの端にセットします。【アルコールランプがいいです。

コンロだと火力が強すぎてビーカーにヒビがが入ってしまいます。】

児童に言葉や図で予想を描かせます。ここで大切になってくる発問があります。

それは、

「考えられる可能性すべてかいてごらん」と声をかけるのです。

この声かけがないと、児童は1つ予想をたてて満足してしまいます。

「可能性」というキーワードを伝えることで、多面的に考え始めます。

予想がいくつもでる。だからこそ確かめたくなる。児童の主体性が確保されるのです。

次回どのような考えが、児童から出てくるのかアップしますね。

4年 水の温まり方

4年担任が1~2週間ほど出勤困難になりました。専科や少人数指導教員で授業をなんとかまわしていました。理科の授業を進めて欲しいと担任から依頼があったので、自分が久しぶりに4年理科を指導することになりました。

金属の温まり方は、授業参観で行ったとのことなので、次は水の温まり方について学ばせていきます。

教師から児童に「水の温まり方についてはどうだろう?」と聞いてしまっては無粋です。そこで温度と体積の変化の学習について問うと、空気→水→金属と学習したことを思い出します。すると水の温まり方に自然の児童の関心は向いていきます。

そこで「どのように水は温まるのだろう?」という児童の願いを学習問題として板書します。ちょっとした言葉の違いですが、このように丁寧に教師と児童、児童と児童のやりとりをすることで、教師から与えられた課題ではなく、児童にとっての「学習問題」になると考えています。

ただ、この学習問題を書かせて予想させようとしても、児童はフリーズしてしまいます。なぜでしょうか? 次回に続きます。

磁界(磁力が及ぶ範囲)にコイルを入れると電流が流れる。

磁界(磁力が及ぶ範囲)にコイルを入れると導線に電流が流れる。

もしくは、コイルに磁界を入れると導線に電流が流れる。

これを確かめるため、『シャカシャカ発電』づくりを行いました。

材料 プラスチックフィルム エナメル線 直径0.4 4~5m(短いと×)

ソケット  低電圧LED(普通のLEDだと光りません)

ネオジム磁石(百均5つぐらい)

 

作り方

① ネオジム磁石が通過できる太さにプラスチックフィルムを巻きテープで

とめます。

② エナメル線をプラスチックフィルムに巻きコイル状にします。

エナメル線の端をLEDライトに繋ぎます。(極性に注意)

③ ネオジム磁石をプラスチックフィルムにいれ、左右に振るとコイルに

磁界が近づいたり離れたりすることで電流が流れ、LEDライトが光りま

す。中学2年生で学ぶ電磁誘導の先取り的な学習になります。

ぜひ、挑戦してみてください。自分のスキルがあがれば、写真や動画をUP

していきます。

手回し発電機で発電できる理由を調べる

手回し発電機を児童に観察させるとモーターが入っていることに気付けます。

電気を流すとモーターが動いた(4年)

モーターを動かすと電流が流れる!?という逆説的な思考ができます。

モーターに低電圧LEDを付けてモーターの軸を紐やゴム板を使って回すと

LEDライトが光ります。

(LEDは極性があるので電流の向きが違うと光らないので注意が必要!)

そこで教師は「モーターで発電できることはわかった。ではなぜモーターで発電できるのか調べるにはどうしたらいい?」と問うと

児童は「モーターの中身を調べたい」と答えるでしょう。そこでモーターを分解させます。するとコイルと磁石があるのを確認できます。

ここで関係付けさせたい知識は、『5年電磁石の性質』です。

5年 導線(コイル)に電流を流すと導線(コイル)の回りに磁力が発生する。

これを知識としてもっていると

6年 磁界(磁力が及ぶ範囲)にコイルを入れると電流が流れる。

という磁力と電流を関係付けて、手回し発電機の仕組みを意味付けて覚えることができます。

理科でも系統的な指導は大事になります。

次回、「磁界(磁力が及ぶ範囲)にコイルを入れると電流が流れる。」について

確かめる実験方法をお伝えします。

 

6年 電気と生活

これまで5年生の電磁石の性質を扱ってきました。系統性から6年生の電気についてブログに書いていきます。

6年では電気の可逆性や発電方法について触れていきます。

電気は動・熱・光・音に変換できるため、家庭で一番使われているエネルギーです。6年発電では逆に動きから電気(モーター)、光から電気(光電池)を学びます。音発電は発展でスピーカーをばらしてみるとコイルと磁石があり、実はモーターと同じ仕組みです。

光はLEDライトでも発電できます。LEDライトを並列で5つ繋いで、強い光を当てると電流が流れます。実際に試したとき結果を見たときは、自分の価値観が大きく変わった瞬間でした。

熱は少し勝手が違うようです。2枚の金属を重ね温めると、の温度差から発電できるようです。これを利用したストーブの上に置くプロペラモーターがあります。

教材研究といいますが、実際は教科書の内容、本時のねらいを確認する程度で終わっている教師が多いと思います。実際に忙しすぎるので、少しも確認せずに授業に臨む方も多いのかも知れません。しかし、自分の専門とする教科だけはしっかりと準備をし、子どもの主体性をいかに引き出していきたいです。この視点は、どの教科でも通じる不易な教育観だと思います。

さて単元の導入では、児童は発電方法を知り、光電池や手回し発電機を使って発電します。そして、手回し発電はなぜ発電できるのか、本体を確認することで仮説を出さしてきます。

2時間目に続きます。

微弱な磁力を強くする。鉄芯を入れる価値

導線の回りに微弱な磁力が発生することを学んだ児童に、教師がどうしたいと問うと「強くしたい」と答えるだろう。そこでどんな方法が考えられるかノートに書かせると

①電流を強くすれば、磁力も強くなる

②微弱な磁力を集めるれば、強くする。

①の考えは4年生の学習で同様のことを行っているので、すぐに出てくるでしょう。乾電池を2個直列にしてみるとちょっと砂鉄の付く量は増えますが、思ったよりつきません。

②磁力を集めるでは、1カ所に集めるといいんだねと教師から価値付けをしていくと導線を「くしゃくしゃ」にする方法から、コイル状にする方法に収束していきます。塾や教科書で学んでいる児童がいますので、うまくその子の意見を拾いながら、『コイルにした際にどこが一番磁力が重なるか』と問うと、中心と答えます。そこで、「中心に鉄芯を入れ、磁力をさらに鉄芯のみに集める。これが電磁石」であることを教えます。

ここは教えないと児童がはいまわってしまいグダグダの授業になってしまいます。(私は実際にグダグダになってしまいました。)

大事なのはどこまでを考えさせて、どこからを教えること。授業の上手い教師は考えさせる量が多く、ピンポイントで重点のみを教えると私は考えています。

みなさんはどうですか?

あとの授業は電磁石の特徴を押さえるだけで大丈夫だと思います。

微力な磁力が発生しているか確かめる

電流を導線に流すと、導線の周りに磁力が発生しているのでは?

と児童が仮説をもち、その仮説を断定していきます。

方位磁針以外に、微力な磁力が発生してるか確かめるには

「砂鉄が付くか調べる」という案が児童から出てくるでしょう。

そこで砂鉄を渡し、付くか調べさせると導線の周りに付きます。

ここで押さえたいのは、「砂鉄の付き方」です。

磁化させたピアノ線(細い鉄線)にも砂鉄をつけると、両端にツンツンとつきます。しかし、電流を流した導線にはグルりと周りに砂鉄がつきます。マグチップで行うともっとわかりやすく観察できます。

この事象を観察することで、導線の周りに磁力が発生していること、導線自体は磁石になっていないことを児童は捉えられるはずです。

次回に続く。