「じゃどうしたら火が付いたろうそくに瓶を被せたいと児童自ら言わせるのはどうしたらいい?」
平松先生は、「教師が指示を出してい実験を行わせているうちは、児童にとっての問題解決学習にならない。実験がただの作業になりさがる。」とおっしゃられていました。また「実験は何かを明らかにする手段である。実験を行うことを目的にしてはならない。」
この言葉をいただき、出会って10年以上たった今、初等理科学習を行う根幹・本質を貫いているとひしひしと感じています。
「児童に火の付いたろうそくに瓶を被させる。」このためには、まず、ろうそくをかぶせることで何がわかるか教師がわかっていないといけません。火の付いたろうそくに瓶を被せることでわかることは、「燃焼と空気に関係があることに気づかせる」ためです。そのためには児童に「燃焼と空気に関係があるのでは?」という仮説をもたせられれば、児童は自ら瓶をかぶせたいといってくるわけです。
では、「燃焼と空気に関係があるのでは?」という仮説。これは児童が勝手にいだいてくれれば楽ですが、そんなことはありえません。そこで教師による手立てが必要です。これはおのおの教師の経験や趣味をいかしていけば授業づくりが楽しくなると思います。私は「ソロキャンプが流行っていて、マッチでわりばしの束を燃やそうとしたんだけど、全然燃えなかった。みんななら燃やせる?」という発問(課題)を提示することが近年の流れです。すると児童は「おもしろそう。」「やってみたい。」「自分ならできるよ。」等、言ってきます。実際にやらせてみると燃えません。
2時間目は、燃えなかったろうそくを工夫して燃やしてみようという流れで行います。工夫してというところで、マッチとわりばしの間にスペースを作ったり、わりばしをちいさく切ったりする班があらわれ、見事わりばしを燃やすことができ完成があがります。そこで「わりばしを燃やせた班の共通点は?」と問うことで児童は「隙間がある」→「空気が入る」という思考に至ります。ここまで来るとキャンプの時に「空気を扇ぐよ。」「粉を燃やそうとしても燃えなかったのはスペース(空気)がなかったから?」というつぶやきを聞くことができます。
そこで「燃えることと空気が関係があることを確かめるにはどうしたらいい?」と児童に投げかけると「燃えている物に瓶を被せて空気を限定すれば、火はきっと消える。」という仮説をもたせられます。
次に続きます。