電流に流した微力な磁力に気付かせる!

電流が磁力を帯びるということは、生活上経験することがあまりないと思います。児童の生活経験では、「静電気で髪の毛が立つ」というくらいで磁力の関係までは、推察できないでしょう。

そこでは自分は、「豆電球・方位磁針ウォッチ」づくりを単元の始めに行うことにしました。作る理由としては、ペア学年の3年生(5年生は3年生!?)の理科の勉強で使う豆電球と方位磁針をセットにした腕時計を作って紹介しよう!という流れで始めました。

用意する物 豆電球(ソケット) 方位磁針

厚紙(腕時計用)  アルカリ単2電池

5年生でも作るのは難しいので、ペアで作らせます。(材料の数も半分に)

すると豆電球の導線が方位磁針がの近くにセットするペアが現れます。(いなければ、こちらがそれとなく誘導)

『豆電球を光らせるため、電流が流すと方位磁針が揺れる!』

という事象を児童に出会わせることができます。

本時の最後に「なぜ、方位磁針が揺れるのか?」

考えられる可能性をノートに書かせ、チェックして終了です。

多くの児童は電流と磁力の関係があるのではという感想を書きます。

次回は今後の単元の流れをアップしてきます。

5年 「電磁石の性質」の単元における問題点② 導線を巻く理由とは

導線を巻く理由

この理由について考える前に「電磁石の性質」の本質について、知らなければなりません。

『電流が流れると、流れたまわりに微弱な磁力が発生する』

このことについて教師が知っていないと、この単元はただ導線を巻けば電磁石がつよくなるんだねといった浅い理解でとどまってしまいます。これがこの単元の問題点です。

この「電流と磁力の関係」について知識があるとこの単元は児童が主体的に学習を進めていける構成をつくれます。

ではいったいどのように、『電流が流れると、流れたまわりに微弱な磁力が発生する』こと「教師が教えるのではなく、児童に気付かせるのか。」これが教師の腕のみせどころだと私は考えます。

みなさんだったらどのように気付かせますか?      次回に続く

5年 「電磁石の性質」の単元における問題点

2学期が終え、冬休みになりました。研修がないので予定が立てやすい冬休みが好きです。

さて、6年生理科の「電気と生活」を行う準備をしていましたが、電磁石の性質について教科書をなぞっただけという実態がわかりました。そのため、6年生に5年生の電磁石の性質の復習とこの単元の「本質」について授業を行いました。

附属小の研修の中で、平松先生から「電磁石のコイルだが、なぜ子どもたちは巻く必要があるのか?」と問われ心の中で『教科書に書いてあるから』と呟いたのは秘密です。

この問いをいただき、「自分は本当に理科の本質についてなにもわかってない。」「教科書を教えているだけの人なんだな」と深く落ち込んだのを覚えています。導線を巻くという「実験」ではなくただの「作業」を子どもたちにさせてしまっていたのだと反省しました。教室での教師の権限は絶対に近いものがあります。だからこそ「自戒」の念は常にもっている必要があると考えます。

さて、「なぜ導線を巻く必要があるのか」については「次回」アップしたいと思います。

 

小学校の現場のやりがいと過酷さ

どの仕事も価値があり、人々の幸せにつながっていると思います。

夏休み開けてから学校行事の復活に合わせ、仕事量が増え投稿ができませんでした。

今日は学校現場の様子についてお伝えしたいと思います。ただしこれは自分が勤務している小学校の様子であり、地域によって様子もかなり変わることをご承知おきください。

職員7:30ごろ 出勤(早い人は7:00ごろから)

なぜなら児童の登校が7:50~8:05になっています。それまでに授業準備・受け入れ準備が間に合わないからです。前日に準備をすればいいのですが、授業の構想は退勤後家に帰ってから行う職員が多いのが実状です。

7:50~児童の健康観察と受け入れ開始。

8:00 職員の勤務時間開始!

12:00 4時間授業。休み時間は連絡帳のチェックや宿題の確認。

保護者からの連絡やクレームを見逃すと、今後の学級経営に支障が

出ます。特に長文で書かれたクレームは保護者の熱量を示すものであり

おなかがいたくなります。

12:00~12:40

給食指導&ノートや宿題の○つけ、校務分掌についての書類作成

給食は5分で食べ、児童の給食の片付けを指導します。

毎日の給食の準備・片付けは学級の実態が色濃く映し出されます。

ここの指導がてきとーで秩序がないクラスは、授業での秩序も保てない

と自分は考えています。

12:40~13:00

昼休みです。自分はほぼ外に出て子どもたちと遊びました。

たとえ終わっていない仕事があっても。なぜなら子どもたちにとって、

教師と授業以外で関われることは、とてもうれしいことだからです。

もちろん行事に向けて実行委員の指導や児童との準備だけは行いまし

たが、可能な限り子どもと達と遊びました。

13:00~13:15

掃除です。教室外での活動もあるためトラブルが起きることも。

事前指導はもちろん、掃除をする意義・価値について子どもたちに

考えさせなければ、高学年はさぼりがちに。

13:20~15:00

5・6時間目、帰りの会 午後疲れていても授業です。午後は活動が多

い教科を組んでいました。その方が子どもも自分も幸せだからです。

15:00~トイレの消毒

授業の準備、学年行事の準備、学校行事の準備

職員会議の書類作成 研修関係の公開授業のレポート・報告書作成

市教委への報告書作成 教材費の会計処理

地域・保護者からの電話対応。休んだ児童・家庭への連絡

校内の研修 テスト・ドリル・ノート○つけ&成績処理

陸上練習・合唱練習など

16:30 退勤時刻

児童が帰ってから退勤時刻まで死にものぐるいで働いても、終わらない

仕事は山積みです。でもやらないと子どもに迷惑がかかる、学級が荒れ

る、他の職員に迷惑がかかるなど、休憩時間がいつに設定されているの

かわからないほどみなさん仕事をされています。

以前に比べれば、職員の勤務時間に対する意識は高まっています。ですが終わりたくても終わらないのが現場の状態です。

一番早いのが副担任・学年付き職員を入れ、事務作業を肩代わりしてもらうこと。

人が入れられなければ、授業数をカットし放課後の事務時間の確保しかないと思います。

教師という仕事・教育という仕事は、責任がありますが、とてもやりがいのある仕事だと思います。子どもたちの健やかな成長のためにも教師の笑顔や余裕をもった業務が大切だと思います。どうかどうかこの疲弊しきった学校教育に改革を。

自分は自分にできる改革をしていきます。

燃焼前と燃焼後に空気の量がほぼ変わらないことを確かめるには②

前回の①~③の条件をクリアするために

①空気の増減がわかるように、空気の量を視覚化しなければならない。

 →水を使う。

②空気を限定した状態で火が消えることから、密閉空間で空気の増減を調べる必要がある。

 →一升瓶の底を切ったものを水を張った水槽に置く。

 →一升瓶の中に、発泡スチロールを浮かべ、そこに楊枝を刺しロウソクを置く。

③燃焼前後の空気の増減を調べるため、密閉空間において何かしらの方法で火をつけなければならない。

 →一升瓶の蓋に導線を刺し,先にニクロム線。ニクロム線の先はロウソクの芯に当たるようにセットする。(ちょいムズ。芯が長い新しいロウソクがやりやすい。)

わかりやすいよう何かの時に写真をアップしようかと思いますね。

これをやろうとしたとき、透明な一升瓶を集めること、集めた一升瓶の底をボトルカッターで切ることが大変でした。一升瓶は基本色つきです。しかし実験では水位の変化を確認させるため,透明が理想です。たまたまある焼酎の瓶が透明であることが判明。たくさん集めて義父に飲んでもらいました。(笑)また一升瓶を切るのも難しかったです。ボトルカッターで傷をつけ熱して割る(切る)のですが、上手に切れず何本も無駄にしました。この公開授業の授業だったのですが、教材準備は本当に大変ですた。ただ今でもこの教材は自分の宝物です。

燃焼前と燃焼後に空気の量がほぼ変わらないことを確かめるには①

子どもの思考(一般的に)に「使えば減る。」という感覚を人は強くもっています。燃焼と空気に関係があると考えた子どもは、「空気が使われて燃える。」と考えます。そのため、燃焼前後で空気の量が変わらないことを確かめることが必要になります。

よく考えますが、真に問題解決学習をするには、子どもの思考をあらかじめ予測しておくこと、そして、その予測に関する実験道具を準備しておくことが大切だと。そのため時間も手間もお金もかかります。自分は附属で理科専科をしていましたが、それでも時間が足りずいつも深夜に帰宅していました。

さて、燃焼前後で空気の量が変わらないことを確かめる実験方法を子どもに考えさせますが、なかなか難しい。なぜなら実験で確かめる視点があやふやだからです。

そこで次のポイントを児童と確認しました。

①空気の増減がわかるように、空気の量を視覚化しなければならない。

②空気を限定した状態で火が消えることから、密閉空間で空気の増減を調べる必要がある。

③燃焼前後の空気の増減を調べるため、密閉空間において何かしらの方法で火をつけなければならない。

何度も授業を行い、このように視点を明確にすることで実験方法を考え出せる児童がでてきました。

いったいどのような実験方法を考えついたのでしょうか?

次に続きます。

空気を限定したことで火が消える理由

更新ができませんでした。仕事も家庭もいっぱいいっぱいでなかなか厳しいです…

気を取り直して、前回子どもたちは「燃えること」と「空気」が関係があることを,ロウソクに瓶を被せ,空気を限定させることで確かめられました。

そこで「燃えることと空気は関係があることがわかった。でも,なぜ空気を限定することで火は消えるのか?」という問いを教師と児童のやりとりの中から作っていきます。自分なら火が消えた様子を演示や動画で見せ,「まだわからないことは?」と投げかけていくことが最近の流れです。

「空気を限定したことで火が消える理由」について児童は2つの仮説を立てます。

1 瓶の中の空気が燃焼で使われたから(量的視点)

2 瓶の中の空気が燃焼によって古くなったから,変化したから等(質的変化)

多くの子どもは1を考えます。本やテレビ、塾などで知識がある子は2を考えます。

もちろん答えは2の空気の質が変わったからです。しかし、子どもは「燃えるのに空気が使われるのだから空気が減る。使えば量が減る」と考えるのは、当たり前の思考です。そのため、燃焼しても空気の量は変わらないということを実験で確かめる必要があります。

では、いったいどのような実験方法で燃焼前と後でに空気の量に変化がないことを確かめればいいのでしょうか?

実験方法立案が問題解決学習の問題発見能力と並び社会により良く生きていくために活きる能力のひとつと考えます。

次に続きます。

火のついたろうそくに瓶を被せる

前時に燃えることと空気に関係があると児童は仮説をたて、それを検証するために「空気を限定する」=「瓶を被せる」という考えに至ります。

『そこで瓶を被せるとどうなる?』と児童に問うと「空気を使うから(空気には限りがあるから)消える。」とほとんどの児童は答えます。

実際に火のついたろうそくに瓶を被せるともちろん火は消えます。

もし可能ならしれっと大きい瓶や小さい瓶、ストップウォッチをさりげなく児童の手の届くところに置いておき、児童自ら「条件を変えもっと調べたい!」という意欲を引き出したいです。また何度も再実験を行わせ、検証性も確かめさせたいです。

児童が満足したことを見計らって、実験結果や考察をかかせます。

ここでの結果「瓶をかぶせると火は消える」 考察「燃えることと空気は関係がある。」ということを児童がノートに書けていれば、o.kです。

その後、教師は結果と考察を全体で共有し、漏れ落ちがないようにします。そして次の問いにつながる発問をします。

次に続きます。

6年 燃焼 本当の問題解決

「じゃどうしたら火が付いたろうそくに瓶を被せたいと児童自ら言わせるのはどうしたらいい?」

 平松先生は、「教師が指示を出してい実験を行わせているうちは、児童にとっての問題解決学習にならない。実験がただの作業になりさがる。」とおっしゃられていました。また「実験は何かを明らかにする手段である。実験を行うことを目的にしてはならない。」

 この言葉をいただき、出会って10年以上たった今、初等理科学習を行う根幹・本質を貫いているとひしひしと感じています。

 「児童に火の付いたろうそくに瓶を被させる。」このためには、まず、ろうそくをかぶせることで何がわかるか教師がわかっていないといけません。火の付いたろうそくに瓶を被せることでわかることは、「燃焼と空気に関係があることに気づかせる」ためです。そのためには児童に「燃焼と空気に関係があるのでは?」という仮説をもたせられれば、児童は自ら瓶をかぶせたいといってくるわけです。

 では、「燃焼と空気に関係があるのでは?」という仮説。これは児童が勝手にいだいてくれれば楽ですが、そんなことはありえません。そこで教師による手立てが必要です。これはおのおの教師の経験や趣味をいかしていけば授業づくりが楽しくなると思います。私は「ソロキャンプが流行っていて、マッチでわりばしの束を燃やそうとしたんだけど、全然燃えなかった。みんななら燃やせる?」という発問(課題)を提示することが近年の流れです。すると児童は「おもしろそう。」「やってみたい。」「自分ならできるよ。」等、言ってきます。実際にやらせてみると燃えません。

 2時間目は、燃えなかったろうそくを工夫して燃やしてみようという流れで行います。工夫してというところで、マッチとわりばしの間にスペースを作ったり、わりばしをちいさく切ったりする班があらわれ、見事わりばしを燃やすことができ完成があがります。そこで「わりばしを燃やせた班の共通点は?」と問うことで児童は「隙間がある」→「空気が入る」という思考に至ります。ここまで来るとキャンプの時に「空気を扇ぐよ。」「粉を燃やそうとしても燃えなかったのはスペース(空気)がなかったから?」というつぶやきを聞くことができます。

そこで「燃えることと空気が関係があることを確かめるにはどうしたらいい?」と児童に投げかけると「燃えている物に瓶を被せて空気を限定すれば、火はきっと消える。」という仮説をもたせられます。

次に続きます。

火が付いたろうそくに瓶を被せる価値

「(自分の名前)くんはどうして、火が付いたろうそくに瓶を被せるんだい?」

何も考えていない自分は答えられませんでした。附属1年目教材研究をしていましたが、「教材研究をしていたつもりだった」んです。教材研究についてはまた別の機会に詳しく述べたいと思います。

 すると平松線背は「瓶を被せるのは燃焼と空気の関係を児童に気付かせるためなんだよ。」と教えてくださいました。そして、「力のない教師は指示を出したり演示実験を行って、火が付いたろうそくに瓶をかぶせることをさせたり見せたりするんだ。」「じゃどうしたら火が付いたろうそくに瓶を被せたいと児童自ら言わせるのはどうしたらいい?」と追加の質問が投げられました。

もちろん自分の思考は停止・・・

次に続きます。